最上級問題23の難角問題の解説編です。
今でもあるのでしょうが、私が学生の頃に流行った春秋社の実況中継シリーズっぽく解説を書いてみました。
まずは問題の条件を書き出してみます。
- △ABCは正三角形(すべて60°)
- AM=CM
- DE=EM
- 角FBA=32°と角DMA=28°
算数の問題は基本的にすべての条件を使う設定になっています。
たまに使わない条件がある意地悪問題もありますが、基本はすべて使うことで解けるようになっています。
この問題文を読んだ瞬間に、28°+32°=60°と数字からピンと来てほしいです。
すると
角ADM=32°とわかり、FBとDMが平行ということがわかります。
AM=MCなのでBMがACと垂直になりまず△ABMが直角三角形とわかります。
30°が見えます。
Fが変な場所にあるなあと思えば、MAを伸ばしていきます。
△GBMも直角三角形になります。
ここで、DE=EMから2つの相似な図形が見えて、GF=BFがわかります。
次にFからBMに垂線を引きます。GM//FHなので相似関係からBH=MH(中点連結定理からも言えます)。△FBMは二等辺三角形とわかります。
底角62°なので角FMA=28°(実は△GFMも二等辺三角形)
したがってX=60°+28°=88°
どうですか、全部の条件が意味するところを使うと解けました。
また、
GF=FB、角BMGからG,B,Mは円周上の点であることは中学生の円周角を習うと明確です。
ところで、この図形の問題。
ここで終わらせたらもったいないです。
図2で作った△DMA∽△BGAの相似の形は、速さの問題を解く時に、一般的には
①状況図か②ダイヤグラムで解くと思います。
好みの問題でもありますが、問題の状況に応じて使い分けられたらいいと思います。
私の場合は、この2つに加えて、速さの問題でも
③面積図
を使って解くこともあります。
なぜなら、
という2つの要素の掛け算だから。
話を元に戻して、ダイヤグラムで解く場合、
このような相似の形を作り出すことはよくあります。
(過去のNNの問題でもありました)
そういう経験もあるので自然とMAを伸ばすという発想が浮かぶのです。
図形問題は図形感覚だけでは解けません。
28°+32°=60°のように数字の和が図形の角度とつながりを持つ感覚とか、
文章題も図形問題に置き換えて解くこともあります。
つながりを意識するって大事なんです。